【月刊 花扇生薬】 2018年08月06日(月)

月刊花扇生薬 第191号 2018年8月

2018年8月

編集・発行人

小西製薬株式会社

学術担当

<薬事>
科学的エビデンス集積へ‐漢方の将来ビジョン2040策定 日漢協
 ・日漢協は20日、大阪市内で記者会見し、高齢者人口がピークを迎えると
  される2040年に合わせ、同協会として取り組む新たな指針として「漢方
  の将来ビジョン2040―国民の健康と医療を担う」を発表した。
 ・中期事業計画は5年ごとに策定しており、過去15年間で漢方製剤の販売
が数量ベースで薬2.1倍、金額ベースで1.7倍に大きく成長している。 
処方する理由として、 1.西洋薬治療で効果がなかった症例で漢方薬
により効果が見られた  2.患者からの要望があった  3.エビデ
ンスが学会で発表された等が上がっている。特に、エビデンスについて
は「漢方の新しい展開21」でも、最重要テーマに掲げている。
 ・新ビジョンは、科学的エビデンスの集積で医療用漢方製剤の有用性の一
  層の確立のほか、原料生薬の必要量の確保、漢方製剤の安定供給など喫
  緊の課題など8項目からなる。
 ・会見で日漢協会長は「漢方製剤等の安定供給を通じて健康寿命の延伸な
  ど国民の健康と医療の貢献に向け、日漢協として新たなビジョンに沿っ
  て活動を継続していく」との考えを強調した。
 ・新ビジョンでは
 @産官学連携のもと、科学的エビデンスをさらに集積し、医療における漢
  方製剤等の有用性をより一層確立する
 A原料生薬の必要量の確保に努める
 B原料生薬から最終製剤までの品質管理を強化し、高品質な漢方製剤等を
  安定供給する
 C医療用漢方製剤の新剤形の開発や効能拡大に関する研究などを推進し、
  漢方製剤など多成分系医薬品の承認申請ガイドライン策定に協力する
 D.一般用漢方製剤および生薬製剤の開発を推進し、市販後の情報提供を強
  化していく
 E会員会社のコンプライアンスと漢方製剤等の品質管理、安全管理をさら
  に強化し、信頼性を一段と高める
 F地球環境や生物多様性の保全、野生動植物の保護に貢献すると共に、自
  然の恵みである生薬を通じて国際展開に積極的に取り組んでいく
 G国民とのアウトリーチ活動の充実を図り、関係諸団体、学会、研究機関、
  行政等とのコラボレーションを強化する――の8項目を掲げる。

日漢協18.7.20、薬事日報18.7.27

天然物創薬コンソーシアム、アジア発創薬へ秋に始動 製薬協
 ・製薬協は、アジアの創薬力向上を目的に、アジア製薬団体連携会議(APAC)
  創薬連携ワーキンググループと連携し、今年秋に「天然物創薬コンソー
  シアム」をタイで立ち上げる。
 ・日本・タイ・台湾・マレーシアが参加し、各国の大学・研究機関の天然
  物ライブラリーをタイの天然物スクリーニングセンターに集約させ、そ
  こに日本の製薬協加盟社もアクセスできる枠組みを目指す。

薬事日報18.7.30


後発品シェア72.5%に伸長‐2月の調剤費は3.5%増 厚労省
  ・厚労省は、今年2月の調剤医療費の動向を発表した。それによると、調
   剤費は前年同期比3.5%増の6211億円、処方箋1枚当たり調剤医療費は
   1.2%増の9060円だった。後発品の数量シェアは72.5%と引き続き伸び
   た。
  ・2月の調剤医療費の内訳を見ると、技術料が3.6%増の1566億円、薬剤
   料が3.4%増の4636億円となった。薬剤料のうち後発品薬剤料は20.1%
   増の860億円だった。

薬事日報18.7.11

交通安全設備の北陸機材 植物工場新設
  ・交通安全設備設計・施工を手掛ける北陸機材(富山市)は新事業の育成
   を加速させる。植物工場のリーフレタス増産のため今年、新工場を立ち
   上げた。野菜は天候不順の影響を受けにくく需要は拡大しており、一層
   の成長を目指す。
  ・新工場では、生産余力を生かして生薬などの使う植物の生産も検討する。

日経新聞18.7.13

福島県 道の駅ひらた 薬草や漢方の新商品開発
・東日本大震災と東京電力福島第一原発事故に伴う風評や、担い手不足な
どに苦しむ農業を盛り上げようと、福島県平田村の道の駅ひらたは村が
栽培を進める薬草や漢方に着目した新商品を開発した。村の花タンポポ
を使ったドリンク「たんぽぽの力」と生薬エキスを加えた「薬膳カレー
わかがえルゥ」の二種類
  ・「たんぽぽの力」はタンポポの根、クシコ、サンザシなどのエキスを抽出
した。飲みやすく、便秘やむくみ改善が期待できるという

福島民報社18.7.3

薬食同源テーマに連携  日本薬科大と女子栄養大 
  ・日本薬科大学(埼玉県伊奈町)と女子栄養大学(同県坂戸市)は研究活
動などに関する連携協定を結んだ。栄養学や薬学など互いの強みを組み
合わせた「薬食同源」をテーマに健康やスポーツ分野などで協力する。
共同で地域住民向けの講座を開いたり、漢方のノウハウを生かしたレシ
ピを開発したりする。

日経新聞18.7.20

アフリカでロバ激減!…中国「爆買い」が生活直撃 
 ・国の業者の要望に応える形で、ケニアでは近年、3カ所にロバの「食肉
   処理場」が新設された。食肉処理をうたっているが、肉はあくまで副次
   品で、中国に輸出する皮を採取するのが主目的だ。
  ・「阿膠(あきょう)」といい、中国東部・山東省の東阿県が主産地だ。ロ
   バの皮を煮溶かして抽出した膠を主成分に固めたもので、中国では3000
   年の歴史を持つと言われる。貧血や生理痛などに効果があり、美肌作用
   があることでも知られる。長寿、ダイエット、滋養強壮効果もあるとさ
   れ、羊羹(ようかん)のように固めたり、ゼリー状にしたりして、女性
   らの間で人気が高い。

産経新聞18.7.10

薬木キハダでトレーとコースター 高取の農業法人 奈良
  ・樹皮から奈良県の伝統的な漢方薬「陀羅尼助(だらにすけ)」の主原料が
   採れる薬木キハダ。樹皮をはいだ後の心材から、農業生産法人「ポニー
   の里ファーム」(奈良県高取町)がコースターとトレーを開発し、売り出
   した。高齢化が進み、減少する県内の栽培農家を支援しようという取り
   組み。
  ・陀羅尼助は胃腸薬。オウバク(黄柏)が主原料で、キハダの黄色い内皮
   から抽出するが、内皮をはぎ取った後の心材は捨てられる。ポニーの里
   は県産薬草・薬木の栽培、関連商品開発に取り組んでおり、統括マネジ
   ャーは2年ほど前、心材の有効利用を考え始めた。

朝日新聞18.7.25

<商況>
国内商況:夏場は例年物が動かないこともあって、猛暑の中さらに動きは鈍い。西日本を中心とした豪雨も、栽培面での影響はない模様。先月から特に目立った変化はない。先月値段が上がっていた猪苓、麻黄、牛黄についても、引き続き同様の状況。中でも牛黄については日本に入ってくる量自体が少ないから、ある意味で奪い合っている状況。(薬事日報18.7.30)

 海外商況:7月始めに中国四川で大洪水があった。バクモンドウ、タクシャなどが被害を受けている。新物は減産で、倉庫も水浸し。しかし、栽培品のトウキ、センキュウ、ダイオウなどは被害少ない。陝西省も被害甚大で、かなり復旧には時間がかかる。暑い季節になったが、中国も暑い。中国には日本のようなお盆を中心とした夏休みがない。
 オウバクは四川で乾燥しにくい気候になっているので価格への影響が気になる。新物で気になる商品はレンギョウ、天候不順が原因して減産である。
 ニンジンは大きな変化無し。(輸入商社提供)

<安全性>
次のいずれも、漢方・生薬にかかわる情報はない
・DSU (Drug Safety Update) No.271  厚労省2018.7
 ・安全性情報 No.354  厚労省2018.7.3
・使用上の注意改訂  厚労省2018.8.2
 ・回収情報  厚労省2018.8.1

Posted by 管理者 at 13時34分

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